先日の朝、大分市内の交番に、スーツをきちんと着こなした若い男性が慌てた様子で駆 け込んできた。「何だ、事件か」。署員に緊張が走った。署員が事情を聴くと、専門学校の 入学式が間もなく始まるが、ネクタイの結び方がわからないという。父親に教えてもらうつ もりだったが、目が覚めたときには出勤した後だったらしい。署員は丁寧に結び方を教え、 「最近の若い人はめったに交番に来ないが、切羽詰まったのだろうか。頼られるのは警察 官みょうりに尽きる。ネクタイを結んで、信頼関係も結べたかな」と目を細めていた。