2004/05/03 (月) 19:17:08        [mirai]
【汐】「…パパ」
いつの間にか、汐が目を覚ましていた。
苦しげに、俺の顔を見上げていた。
【朋也】「どうした…」
【汐】「…いま、どこ」
【朋也】「………」
【汐】「…もう、れっしゃのなか…?」
【朋也】「………」
【朋也】「あ…
ああ」
【朋也】「もう列車の中だ…」
【汐】「…そ」
【朋也】「………」
【汐】「………」
【汐】「…パパ」
【朋也】「なんだ…」
【汐】「…
だいすき…」
【朋也】「………」
涙が溢れて…
止めることができなかった。
【朋也】「ああ…」
【朋也】「パパもだ…」
………。
しんしんと雪は降り続けた。
永遠の時を、刻み続けた。
指先から感覚が消え…
視界が閉ざされていく…
町が消えていく…。
それは幻想的な光景で…
自分がどこにいるのかも、わからなくなって…
………