2004/05/19 (水) 00:31:47        [mirai]
■2.自衛隊出動要請:奥尻18分後、阪神4時間13分後■

 自衛隊の初期出動が遅れて被害が拡大したという批判があったが、
それは事実ではない。約2万6千人の中部方面隊は地震発生から4
3分後の6時半には「部隊の全部を行動可能な態勢に置く」という
第三種非常勤務態勢に移った。7時14分には観測用ヘリコプター
が飛び立ち、自治体からの出動要請を待たずに、7時58分には阪
急伊丹駅での人命救助に48人、8時20分には206人を西宮市
に送っている。

 それに比して行政側の反応はあまりに鈍かった。兵庫県知事が自
衛隊に出動要請したのはようやく10時であった。災害時の自衛隊
派遣要請は、被災地の市町村長の求めに応じて知事が行うと決めら
れているが、通信が途絶し、「早急に応援を要請しなくてはと考え
ていたが、決断に踏み切るだけの詳しい情報がなかった」と貝原知
事は語っている。8時10分には逆に自衛隊側からの要請督促があ
ったが、決断できずにいた。

 しかし自衛隊に応援を求める事自体が、それほどの「決断」なの
だろうか。その2年前の北海道南西沖地震では、発生18分後に最
大の被災地である奥尻島との連絡がとれないまま、北海道庁は自衛
隊に派遣要請を行い、多くの人命救助を果たした。今回とまったく
同じ状況である。北海道の18分と兵庫県の4時間13分との差に
隠された「真実」がある。