子供の頃に生意気な口をきいて怒られた親父 家を出るまで圧倒的な存在感を無言で示していた背中 僕は家を出て就職もして部下も出来て、大人になったつもりだったけど 心の中に、ずっとあの大きくて広い背中が燻っていた 久しぶりに帰った実家、10年近い年月で小さくなってしまった背中だったけど いつまでも無言で何かを語っているのようなその隣で 僕は父親と煙草をくゆらせながら、ベランダで言葉もなく語り尽くした