何度も振り返った。外野でボールが弾むたび、高橋尚はベースカバーに走った。悔 しさ、脱力感。ホームベースを駆け抜ける横浜ナインが視界に入る。総立ちにな る、右翼席。静まり返る、左翼席。気持ちが折れそうになった。逃げられない。ス コアボードに光る5失点。現実は厳しかった。