2004/06/20 (日) 22:48:07        [mirai]
 世界の多くの国々の政府が人権抑圧を行う理由は、国内の政情を安定させるためでる
。政情を安定させるのは経済発展に不可欠だからで、安定が続いてうまく経済が発展し、
最も貧しい階層の人々でさえ生活が少しずつでも豊かになれば、人々の不満は減り、あ
まり抑圧をしなくても政情が安定するようになる。
 この方向に進んでいる例として中国がある。15年前の天安門事件のころに比べ、政
治の民主化は進んでいないが、経済発展が実現したため、今では政府に不満を持つ国民
はかなり減っている。中国が15年前に共産党独裁を止めていたら、おそらく中国はそ
の後長く政治混乱が続き、経済発展の機会が失われていただろう。
 冷戦後、先に政治の解体が進んだロシアでは、最近に至るまでの10年間、政治も経
済も不安定さが続いた。最近プーチンが独裁体制を確立し、ようやくロシアは経済発展
の可能性が見えている。失われた10年に懲りたロシア人の大半は、プーチンの独裁的
なやり方を支持し、欧米に支持された民主化勢力やマスコミを嫌っている。ロシア人は、
社会の安定にはある程度の独裁(強い政府)が必要だと感じているのだろう。