月間現代8月号より 荷宮 和子(評論家) ネット掲示板「●ちゃんねる」に集まる負の本能 ―――生まれや性別などによって人を差別するのは、「無教養な田舎もの」の 振る舞いであり、戦後民主主義の中で生きてきた日本人の多くは、「教養のある 都会人」として見られるよう、つまり、「無教養な田舎者」とはみなされないよう努力 して来たはずである。 が、今のネットには、「無教養な田舎者」ならではの価値観に満ちた書き込みが あふれている。しかも、現実の社会に生きる「無教養な田舎者」ならば身につけて いるはずの、「愛すべき朴訥さ」や「人間としての実直さ」はそこには無い。 ただただ、「無教養な田舎者」の悪しき要素のみが、ネットにはぶちまけられているのである。