2000/11/19 (日) 23:09:54        [mirai]
「死亡」診断された男性、霊安室で「生き返る」 大阪  

 大阪市西成区の無職の男性(65)が同区天下茶屋1丁目の「杏林記念病院」(馬場貞
夫院長)に運び込まれ、いったん医師に死亡と診断されながら、霊安室で西成署員の検視
を受けている時に、心臓が動いていることが確認されていたことが、19日分かった。男
性は意識が戻らないまま、4日後に死亡した。同署は、病院側の判断に問題がなかったか
どうか調べている。
 同署などの説明によると、13日午後7時40分ごろ、西成区にある社会福祉法人大阪
自彊館の救護施設「三徳寮」で、男性が自室の机にうつぶせになってぐったりしているの
を、同居人が見つけた。救急車で杏林記念病院に運ばれ、当直の医師から蘇生(そせい)
措置を受けた。しかし間もなく医師は心停止を確認した、として死亡していると診断。西
成署に連絡し、男性を病院の霊安室に安置した。

 異状が発見されてから約1時間後の午後8時40分ごろ、同署員が検視のため霊安室で
男性の体を調べていたところ、かすかに呼吸し、体が動いているのに気づいたという。こ
のため、署員は検視をやめて医師に連絡。医師が診断して脈を確認したため、再び蘇生措
置を開始した。男性は意識不明の状態が続き、17日未明に死亡が確認された。死因は心
筋こうそくだったという。

 病院側は「担当したのは非常勤の当直医だが、詳しいことは分からない。後日、事務局
長らが対応することになる」と話している。一方、西成署は「いったん死亡と判断された
人が生き返ったなんて聞いたことがない」と驚いている。(22:29)