2004/07/20 (火) 01:50:54        [mirai]
手が使えないとあっては、猛り勃つペニスを静める方法はひとつしかなかった。
 奈緒子は素早く上体を前に倒すと、拓也の股間に顔をすり寄せた。
 透明な液をにじませた亀頭が、唇に触れた。
 お父さん、お母さん、ごめんなさい……。
 天国の両親に許しを乞うと、弟の性器を口にふくんだ。
「あっ……」
 驚いたような声をあげ、拓也の動きがとまった。
 アイスキャンデーのように、音をたててしゃぶった。弟の肉棒は、青い草のような匂い
がして、わずかにしょっぱかった。
 拓也は身悶えして、腰を後ろに引いた。奈緒子は口から離すまいと、懸命についていっ
た。
 射精させられると思った次の瞬間、花びらの中心を割って、舌が入ってきた。
 あっ!……
 拓也が彼女の股間に顔をつけ、陰部を舐めていた。姉と弟は頭と足を逆にして重なり合
い、シックスナインの体位をとっていた。
 二人はまるで競争するように、相手の陰部を口で責めた。ピチャピチャと舐める音が、
部屋のなかに響いた。
 わたしは実の弟に恥ずかしい部分を舐められ、ペニスをしゃぶっているんだわ……。
 自分たちの姿を頭に思い描くと、夫に対してよりも、死んだ両親に対して罪の意識を覚
えた。
 お父さん、お母さん、これも拓也の目を治すためなんです。悪いのはすべてわたしなん
です。どうか拓也を責めないでやって。だからどうかおねがい、拓也に正体を悟られない
よう、力を貸してください……。
 どれほど言いわけをしようと、世間からは決して許されることのない、背徳の行為だっ
た。それがわかっていても、とめることはできなかった。
 阿久津に仕込まれたフェラチオだったが、奈緒子にとって決して好きにはなれない行為
だった。排泄器官を口にふくむということに、どうしても嫌悪感を抱いてしまうのだ。
 ところが今は、弟のペニスを口に入れていても、汚いという気持ちがまったくしなかっ
た。早く果てさせなければという切迫感のさなかにも、ほかの男たちとは違う愛しさを覚
えていた。
 竿だけでなく、くるみのような陰嚢にも舌を這わせた。こりこりと硬い二つのボールが、
舌先に感じられた。ごわごわした陰毛も、菫色のアヌスも、すべてが愛しかった。
 少年は蜜壺を吸いながら、指先をアヌスに挿入してきた。
 ああ駄目っ、そんなとこを触っちゃ……。