2000/11/20 (月) 02:27:14        [mirai]
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  第17回[ マイケル教授の「EIZO小話」]
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  Professor Michael Gives A Lecture For You.
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  【眼に優しい温度って? ~色温度のお話~】

  諸君。おはよう。私が歩く「天高く馬勝てない秋」のマイケル教授
  だ。今月も競馬でスッテンテン……嗚呼。
  しかし、負けは負け、貧乏は貧乏、講義は講義である。もちろん、
  気合いを入れてムチを入れて講義を行うので、ひとつよろしく聞い
  て欲しい。

  ■色温度とは?

  さて、今月のお題は「色温度」である。色温度……イロオンドと読
  むね。もちろん、馬の名前ではないぞ。第4コーナーを回って失速
  するような根性無しの馬の名前であるワケがない。さらには、東京
  音頭とかドラえもん音頭とも違う。
  では、色温度とはなんぞや。色の温度……例えば「暖色」という言
  葉がある。もちろん、男同士の愛のカタチを表しているのではなく、
  色の温度の感じを表している言葉だな。暖かい色というのは感覚で
  わかるハズだ。しかし、である。色の温暖感と「色温度」とはまっ
  たく別物なので注意が必要だ。
  色温度とは、光の色を、それに相当する温度に例えたものなのであ
  る。難しく言うと、全てのエネルギーを完全に放射する物体を想定
  し、この物体が放射する波長とその温度の関係を、光の色にあては
  めたのが色温度ということになる。
  例えば、炎の色に例えるとわかりやすいかな。ロウソクの炎の「赤
  い色」と、ガスコンロの炎の「青い色」を比べると、もちろんガス
  コンロの方が熱いというか高温なのは知っておろう。これが色温度
  だ。さっきの暖色(赤っぽい色)と寒色(青っぽい色)という温暖
  感とは逆になる。
  な、温暖感と色温度は別物ということがわかっただろう。うむ。
  さて、この「色温度」は、温度といっても摂氏とか華氏とかの単位
  ではなく「K」という単位を使う。「K」はケルビンと読み、もち
  ろん馬の名前であるハズがなく、これは人の名前だ。このケルビン
  さんは、絶対零度を見出した人としても有名だ。で、摂氏でいうと
  ころの絶対零度のマイナス273度を0度K(ケルビン)としたワケだ
  な。

  色温度イメージ図
  http://210.248.85.67/members/lecture/index.html


  ■色温度を調整する

  今回の講義のお題である「色温度」。いったいそれがディスプレイ
  にどう関係あるのか心配になってきた人もいるかもしれん。ところ
  がこれが大ありなのだ。
  人間の眼は順応性があるため、日常生活では絶対的な色の違いをあ
  まり感じないが、ディスプレイは光源の特性がそのまま反映するマ
  シーンだ。
  したがって、調整を行わないと正しい色合いが得られないのである。
  一般的にディスプレイは9300Kに設定されており、やや青みがかった
  白色が特徴となっている。また、自然光の下で見るコピー紙などの
  上質紙の色温度は6500K。ディスプレイの白に比べて色温度は低くな
  っているワケだ。つまり、上質紙とディスプレイを比べると、上質
  紙の白の方がちょっと「赤み」がかかっているのである。
  したがって、ディスプレイの色温度を6500Kに調整すると、人間やサ
  ラブレッドや景色などの自然画像は、よりナチュラルに見えること
  になる。
  しかし、9300Kに調整されたディスプレイは、白い背景上の黒い文字
  が、より鮮明に表示されるという利点がある。ちなみに、店頭など
  のディスプレイコーナーに置いてあるものは、ほとんど9300Kになっ
  ているはずだ。9300Kの方がシャープな感じに見えるからだな。
  でも、、長時間ディスプレイを見る場合は、より自然な色合いの
  6500Kに設定する方が眼に優しいといっていいだろう。あまりコント
  ラストを強くすると、眼は疲れてしまうのだ。
  疲れ眼を気にするディスプレイ通は、6500Kくらいの色温度で、ギリ
  ギリまでコントラストを下げていることが多いな。
  もちろん、E-ディスプレイでは、この色温度の調整を細かくでき
  る。ぜひ、ホワイトバランスをバッチリとって、使いやすい色温度
  や眼に優しい色温度をイロイロ選んでくれ。

  お、もうこんな時間だ。では、今日はこの辺でおしまい。ご静聴あ
  りがとう。次回はウハウハの明るい色な気分で逢おう。よし、色温
  度の高い1枠で勝負だ!!

  ディスプレイのOSDで行う色温度調整機能イメージ
  http://210.248.85.67/members/lecture/index.html