MiG-23での高高度起動飛行や飛行場周辺空域内の飛行には、F-4ファントムの対 気速度が大まかな参考として使えたが、MiG-23には境界層制御装置がないで、 若干高い速度が必要だった。座席についてストラップを締めたり、始動チェッ クリストのとおりにいくつかコックピットのスイッチを入れるのは、ミコヤン の整備員に手伝ってもらった。航法関係や通信、エンジンスタート関連のイッ チの一部は、後席コックピットには装備されてないのである。MiG-23のKM-1ロ ケット推進射出座席は、今日の標準になっているK-36Dよりも一世代古いものだ が、ヘッドレストや射出ハンドルが握ってから引くタイプであるのに対しK-36D はシングルアクションで射出出来る方式である点だ。ゴルゴノフは、座席の射 出ロケットを点火するにはハンドルをほぼ20kgの力で引く必要があると教えて くれた。