200×年、北朝鮮に拉致された日本の若者が再び祖国の土を踏んだ。 自由の空気を味わいたいと、彼は実家に帰ってきてすぐにテレビをつけた。 将軍様賛美ばかりの映像を見てきた彼にとって、 日本のテレビは最初こそ新鮮だった。 しかし、翌日には両親に向かって北朝鮮がマシだ、帰りたいと 愚痴をこぼしはじめた。 両親はその理由がさっぱりわからないので彼に聞くと 、うんざりした表情で言った。 「どのチャンネルをひねっても、僕しか写っていません。 僕は日本政府から監視されているんでしょうか?」