超低空のまま南東に向かう。目指すは千歳基地だ。 頭の中ですばやく燃料の残量を計算する。 多分到着出来るはずだ。多分... 高々度迎撃機のミグ25は、重量22トンの機体に15トンもの燃料を積む。 が、超低空飛行のため、巨大な2基のエンジンは猛烈な勢いで燃料を消費し続けた。 ついてないことに、北海道上空は灰色の雲が垂れ込めていた。燃料節約の為高度を上 げる。もう日本の領空だ。 「航空自衛隊のファントムがスクランブルをかけてくれば誘導してもらえる」