お姉さまはもう何も言わず、そして何も命じなかった。けれど再び言葉に出 すことは無かったけれど、お姉さまの目が(脱げないの?)と言っている。そ の視線に挑発されるかのように、志摩子はショーツも脱ぎ、一糸纏わぬ姿になった。 胸元も。下腹部の茂みも、志摩子はその総てを隠さなかった。お姉さまがそ れを望まないような気がしたからだ。 「きゃっ!」 そうした志摩子に間髪入れず、お姉さまはベッドに押し倒す。 「……!」 お姉さまは何も言わずに、志摩子の胸に、腰に、下腹部に、愛撫の手を這わせて くる。豹のような目をしたお姉さまが触れてくる行為総てが、感受性のボリュームを最 大値まで開いたかのように、鋭く強く、そして重たく志摩子に響いてくる。その強烈な 刺激に、志摩子はひとつひとつ翻弄されるかのように、 身を捩じるばかりだった。