2024/11/28 (木) 23:03:37        [misao]
しかし、われわれは短い時間をもっているのではなく、実はその多くを浪費しているのであ
る。人生は十分に長く、その全体が有効に費(ついや)されるならば、最も偉大なことをも完
成できるほど豊富に与えられている。けれども放蕩(ほうとう)や怠惰(たいだ)のなかに消
えてなくなるとか、どんな善いことのためにも使われないならば、結局最後になって否応(い
やおう)なしに気付かされることは、今まで消え去っているとは思わなかった人生が最早すで
に過ぎ去っていることである。全くそのとおりである。われわれは短い人生を受けているので
はなく、われわれがそれを短くしているのである。われわれは人生に不足しているのではなく
濫費しているのである。