2026/04/14 (火) 21:17:48 ◆ ▼ ◇ [misao]主人公たちは出会った瞬間から息がピッタリであり、終始仲良く旅をする。
ロードムービー的な演出に合わせた二人の関係性の変化、といったお決まり
の展開すらほぼない。また、本作では「パズルとシューティング」しかゲー
ムプレイが用意されていないため、二人の関係性を没入感のある形で描くこ
とができない。よくある「低身長のキャラが狭い場所を探索する」「関係性
が変化したことで連携攻撃が可能になる」というような、キャラクターの関
係性の変化を象徴するゲームプレイが足りていない。ゆえに、描写の積み重
ねが爆発するはずである終盤の内容が非常に性急なものとして感じられる。
また、SF作品としても本作を評価することは難しい。というのも、本作はア
ートスタイルを含めた物語体験のなかで科学技術をメインとした要素が強調
されず、作劇上において強い意味を持たない。キャッチーなホームドラマの
表現が優先されており、上述した物語自体の尺不足も相まって「忙しないゲ
ームプレイと、ドラマチックさを両立するための手段」以上の役割をSFに持
たせられていない。
たとえば、本作の主人公の一人であるディアナに関しては、自然美を伴った
アンドロイドとして描かれている。こだわり抜かれた髪質や肌質、目の動き
は朗らかな少女然としつつも、ドールのような無機質な冷たさを両立してい
る。一方で、彼女が持つ機能とその原理は説明されない。カートリッジを口
に加えて、情報を「吸い上げる」可愛らしい機能がなぜ存在するのか、上述
したようになぜハッキングが一筆書きパズルなのか分からない。「ゲーム攻
略に適した超能力をもつ、ホームドラマの娘役」以上の役割や魅力が用意さ
れていない。