2017/01/21 (土) 20:18:23        [misao]
「このままでは日本の映画は本当に終わってしまう」――そう強く訴えるのは『海街diary』など数々のヒット作を世に出し、 
2013年には『そして父になる』で第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員賞受賞をした是枝裕和監督だ。 

日本映画界で若手の監督たちが活躍できない原因には、経済的な問題もある。 

「僕も資金調達には苦労していますよ。先日、韓国に行ったとき、向こうのプロデューサーと話をして、韓国のシステムについて聞いた。 
韓国では興行収入の4.5割が劇場分で、残りの5.5割を映画の製作委員会(出資者)と制作会社(監督など作り手)が6対4の割合で分け 
合うそうです。 

つまり、興行収入が10億円あったとすると2億4000万円が、一番汗を流した制作者たちの手に渡る。そして、その資金は次の作品の 
準備に充てられます。でも、日本だと5割が劇場で、残り5割のうち1割を配給会社、4割が製作委員会に渡る。多くの場合、監督には 
配分がないんですよ。 

僕は、交渉するようにしていますが、日本でお金の話をするのは、あまり好まれない。1%の成功報酬を交渉するのに、なんでこんなに 
苦労しなければいけないんだろうってつくづく思っていた。 

なので、韓国のシステムを聞いて、暗い気持ちになりました。映画監督は食えなくて当たり前、みたいな感覚では、映画監督という 
職業に若い人たちが夢を持てなくなっても仕方がない」