まず住居を作ることにした、提案すると賛成多数で可決された。 というか反対意見はなかったように思う。 ところがいざ住居を作ろうとしても、イメージのすり合わせができないのだ。 俺が想定した住居というものは、横穴を掘り雨風を凌ぐという程度のものだったのだが、 クラスの大半の連中が考えているのは立派なログハウスで各人に個室があるようなもののようだった。 「木はたくさんあるんだからさ、まずやってみて、ダメだったらその後で考えようよ?」 教師の木本がそういった時、俺は一人海を泳いで帰還を試みた方ががいいのではないかとさえ思った。