1983年(昭和58年)新春、北へ向かう列車の中である老婦人が座っていた。彼女の名は田倉(たのくら)しん。 三重県志摩半島各地に構えるスーパーマーケットの経営者であった彼女は、新店舗開店という記念すべき日に行方を眩ましてしまった。 一族が騒然とする中、おしんとは血こそ繋がらないものの、孫同然の間柄である大学生・八代圭(やしろ けい)は昔、 おしんが語ってくれた思い出話を頼りに、山形県の銀山温泉へ、当ても無い捜索の旅に出た。 こんな開幕なのか