フランスの合同記者団が東ドイツでの取材旅行から戻り、 現地の印象について聞かれた。 「私がとくに印象深かったのは」とリュマニテ紙の記者が口を開いた。 「東ドイツの市民たちが誠実で、知的で、国家への愛を抱いていたことです」 するとフィガロ紙の記者が続いた。「それは確かでした。しかし、 それらのすべてを兼ね備えた市民が誰一人としていなかったことを補足 しなくてはなりません。誠実で愛国的な市民には、知性がありませんでした。 知的で愛国的な市民は、誠実ではありませんでした。そして誠実で知的な市民は、 愛国的ではありませんでした」