2017/04/12 (水) 00:11:25        [misao]
ミドルタウンの住人がオバマを受け入れない理由は、肌の色とは全く関係がない。

私の高校時代の同級生には、アイビー・リーグの大学に進学した者がひとりもいないことを思い出してほしい。
オバマはアイビー・リーグのふたつの大学を、優秀な成績で卒業した。
聡明で、裕福で、口調はまるで法学の先生のようだ(実際にオバマは大学で合衆国憲法を教えていた)。

私が大人になるまでに尊敬してきた人たちと、オバマのあいだには、共通点が全くない。
ニュートラルでなまりのない美しいアクセントは聞き慣れないもので、完璧すぎる学歴は恐怖さえ感じさせる。
大都会のシカゴに住み、現代のアメリカにおける能力主義は、自分のためにあるという自信をもとに、立身出世をはたしてきた。
もちろんオバマの人生にも、私たちと同じような逆境は存在し、それをみずから乗り越えてきたのだろう。
しかしそれは、私たちが彼を知るはるか前の話だ。

オバマ大統領が現れたのは、私が育った地域の住民の多くが、アメリカの能力主義は自分たちのためにあるのではないと思い始めたころだった。
自分たちの生活がうまくいっていないことには誰もが気づいていた。死因が伏せられた十代の若者の死亡記事が、
連日、新聞に掲載され(要するに薬物の過剰摂取が原因だった)、自分の娘は、無一文の怠け者と無駄に過ごしている。
バラク・オバマは、ミドルタウンの住民の心の奥底にある不安を刺激した。オバマはよ良い父親だが、私たちはちがう。
オバマはスーツを着て仕事をするが、私たちが着るのはオーバーオールだ(それも、運よく仕事にありつけたとしての話だ)。

オバマの妻は、子どもたちに与えてはいけない食べものについて、注意を呼びかける。
彼女の主張はまちがっていない。正しいと知っているからなおのこと、私たちは彼女を嫌うのだ。