僕たちはまるで、真夏の空に打ち上げられた落下傘花火だ。 どこに落ちるかもわからずに、ただ二人、寄り添うように漂っていた。 あの時の僕たちは、何の意味も何の価値も、そしておそらく何の未来もなかった。 しかし、人間にはたして意味のあることなどあるだろうか。 社会が作った責任や奉仕という偽善、そして抽象的で感傷的な愛や永遠などという言葉さえ、僕には、そして彼女にもきっと意味などなかった。 僕たちは、真夏に打ち上げられた落下傘花火だった。