『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の世界が持ち続ける「平和への志向性」 | ハーバー・ビジネス・オンライン https://hbol.jp/230258 ドールが伝える手紙は、国家的なイデオロギーや、通俗道徳が内面化された「うらはらな気持ち」ではなく、 人々の本心としての愛情や悲哀といった生き生きとした感情に満ちている。 そこに現れているのは血の通った人間同士の交歓であり、自ずとそれは、平和主義的な解釈型へと導く。 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の世界は、戦争が再発する可能性がなくなっているわけではない。 TVシリーズの終盤は、報復主義にとらわれ、まさに「野蛮化」してしまった旧軍人との対決が行われている。 そのような緊張を乗り越え、人々が戦争の抑止を志向するような解釈型の場となることが、ドールに期待された役割なのだ。 この世界は、我々の世界が辿りえた可能性の歴史なのであって、 その意味で、本作からは反戦のメッセージが読み取れるのだ。