中世までの日本人がアナゴを食べなかったとは思えないが,アナゴが文献に名を見せるのは18世紀の初めころからである。 《和漢三才図会》は,脂が少なくて美味ではない,漁夫は焼いてウナギといつわって売る,と書いている。 料理書でもアナゴについて書いているのはごくわずかで,その一つ,《新撰庖丁梯(ほうちようかけはし)》(1803)は 蒲焼以外の料理は聞いたことがないと記している。