>  2021/03/31 (水) 12:01:26        [misao]
> > ホモなの?(;´Д`)
> いや女弟子(;´Д`)

芳子が常に用いていた蒲団ふとん――萌黄唐草もえぎからくさの敷蒲団と、
線の厚く入った同じ模様の夜着とが重ねられてあった。時雄はそれを引出した。
女のなつかしい油の匂いと汗のにおいとが言いも知らず時雄の胸をときめかした。
夜着の襟えりの天鵞絨びろうどの際立きわだって汚れているのに顔を押附けて、
心のゆくばかりなつかしい女の匂いを嗅かいだ。
 性慾と悲哀と絶望とが忽たちまち時雄の胸を襲った。
時雄はその蒲団を敷き、夜着をかけ、冷めたい汚れた天鵞絨の襟に顔を埋めて泣いた。
 薄暗い一室、戸外には風が吹暴ふきあれていた。

参考:2021/03/31(水)11時55分04秒