> 2021/06/08 (火) 22:27:55 ◆ ▼ ◇ [misao]> > 太宰はほんと書き出しが素敵だよ(;´Д`)
> > 私は、犬については自信がある。いつの日か、かならず喰いつかれるであろうという自信である。
> もう噛まれてるのが見える(;´Д`)
これを書いてるおっさんの姿を想像すると泣ける(;´Д`)
あさ、眼をさますときの気持は、面白い。
かくれんぼのとき、押入れの真っ暗い中に、じっと、しゃがんで隠れていて、
突然、でこちゃんに、がらっと襖をあけられ、日の光がどっと来て、
でこちゃんに、「見つけた!」と大声で言われて、まぶしさ、それから、へんな間の悪さ、
それから、胸がどきどきして、着物のまえを合せたりして、ちょっと、てれくさく、
押入れから出て来て、急にむかむか腹立たしく、あの感じ、
いや、ちがう、あの感じでもない、なんだか、もっとやりきれない。
箱をあけると、その中に、また小さい箱があって、その小さい箱をあけると、
またその中に、もっと小さい箱があって、そいつをあけると、また、また、小さい箱があって、
その小さい箱をあけると、また箱があって、そうして、七つも、八つも、あけていって、
とうとうおしまいに、さいころくらいの小さい箱が出て来て、そいつをそっとあけてみて、
何もない、からっぽ、あの感じ、少し近い。
パチッと眼がさめるなんて、あれは嘘だ。
濁って濁って、そのうちに、だんだん澱粉が下に沈み、少しずつ上澄が出来て、やっと疲れて眼がさめる。
朝は、なんだか、しらじらしい。悲しいことが、たくさんたくさん胸に浮かんで、やりきれない。
いやだ。いやだ。朝の私は一ばん醜い。
両方の脚が、くたくたに疲れて、そうして、もう、何もしたくない。
熟睡していないせいかしら。朝は健康だなんて、あれは嘘。朝は灰色。いつもいつも同じ。一ばん虚無だ。
朝の寝床の中で、私はいつも厭世的だ。いやになる。
いろいろ醜い後悔ばっかり、いちどに、どっとかたまって胸をふさぎ、身悶えしちゃう。
朝は、意地悪。
参考:2021/06/08(火)22時23分01秒