ふいに二代目が、まるで恥じらう乙女のような小声で言った。 「我々は友人になれるだろうか?」 「ありがたいお言葉ですが、そいつは無理な相談です」 「……なぜかね?」 「なぜなら私は狸ですから。天狗は狸をいじめるものです」 すると二代目はにっこりと笑った。前年の春に帰国して以来、二代目がそんな爽やかな笑顔を見せるのは初めてのことであった。 「ユニークだ。君はじつにユニークだ」 「ありがとうございます」 「またホテルへ遊びに来たまえ、遠慮はいらない」 そう言うと、似非英国紳士は、降りしきる雪の中を歩いていった。 これが抜けたよ(;´Д`)