2008/06/14 (土) 14:52:51 ◆ ▼ ◇ [qwerty]───アメリカでの同種の事件は、高校から大学といった年代の学生の犯行が多いが、
日本の場合は何らかの形で社会に出て働き出してからが多い。恐らくアメリカでは
「格差と選別」を教育システムの中で見える形で行うのに対して、職業に就いた後は
それぞれの職業について、少なくとも表面的には自分たちも周囲も「誇り」を認める
(というお約束の)文化が残っているのかもしれない。日本の場合は、格差と選別の
痛みは教育システムの中では隠蔽されているが、社会に出てから全人格の否定につな
がるようなヒエラルキーシステムに直面することになる。
───勿論、アメリカの場合でも「解雇への逆恨み」という事件は良くあり、少しで
も本人の反発が予想されるような場合は、解雇通告や職場からの退去に際して、人事
担当者は武装したガードマンと一緒に対処するというような陰鬱な文化がある。解雇
された人間は、暴れないにしても、一つの段ボール箱に私物を詰めて誰に挨拶するで
もなく職場を去って行く。終身雇用を崩壊させるということは、そうした光景に耐え
るだけの「強さ」を「切る側」にも「切られる側」にも要求する。
───アメリカの「格差社会」を導入したから日本の雇用環境が閉塞したというのは
実は間違っている。少なくとも、アメリカの場合は「フルタイム」と「パートタイム」
、「直接雇用」と「派遣」の間で、時給換算の給与水準の格差はない。だから「ワー
クシェリング」という話も現実味がある。ちなみに、アメリカの「派遣」というのは、
雇用主が小規模なので「人事関係の事務手続きコスト」が払えないとか、「時々変
わっても良いから有能な秘書がコンスタントにいて欲しい、でも採用広告などの一時
的なコストは払いたくない」という「ニーズ」に応える形で発達しているものだ。勿
論「人件費削減」という動機のものもあるし、逆に「常に技術的に最先端の知識のあ
る人材を(入れ替えながら)維持したい」というものもある。だが、派遣というのは
あくまで「ニッチ」であって、全体としては日本と比べれば堂々と直接雇用して、直
接雇用の中で格差をつけ、必要なら解雇するという形になっており、派遣や偽装請負
を使って人件費逃れをするような慣行はない。日本と比べればもっと冷酷だが、陰湿
さはない。