2008/07/09 (水) 01:37:13 ◆ ▼ ◇ [qwerty]木曜日。
3時限目は体育だ。
なんで全員が体育をしなければならないのだろう。
体育の時間になるとやたら生き生きするやつが必ずいる。
どうせ頭の中に筋肉でも詰まっているに違いない。
担当のK村はその典型だ。やつにはデリカシーさというものが存在しない。
今日は野球だった。嫌な予感がした。
何でチョット太っているからといってキャッチャーをしなければいけないのか。
太っているやつがキャッチャーなら、N橋のほうがずっと運動神経もいい。
ああいうやつにさせておけばいいのだ。
案の定、ピッチャーのA原が思いっきり投げる。
「ドカッ」
一球目がミットをかすめて僕の眉間に(たぶん)命中した。
気がつくとA原が覗き込んでいる。
「アブラ、ストライクだろ。ちゃんと取れよ」
野球なんて筋肉野郎がやってればいいんだ。
「おい、ちゃんととってやれよ」
さすが筋肉馬鹿のK村だ。デリカシーのかけらもない。
この教師失格野郎が。
僕は体格の割に下半身が弱い。
この日僕は、ランナーに体当たりされてまた気を失った。
「おい、アブラ、ちゃんと片づけておけよ」
僕は突き指した10本の指を庇いながら律義に後片付けをした。
ウフフ。