2008/07/09 (水) 01:37:13        [qwerty]
木曜日。
      3時限目は体育だ。
      なんで全員が体育をしなければならないのだろう。
      体育の時間になるとやたら生き生きするやつが必ずいる。
      どうせ頭の中に筋肉でも詰まっているに違いない。
      担当のK村はその典型だ。やつにはデリカシーさというものが存在しない。

      今日は野球だった。嫌な予感がした。

      何でチョット太っているからといってキャッチャーをしなければいけないのか。
      太っているやつがキャッチャーなら、N橋のほうがずっと運動神経もいい。
      ああいうやつにさせておけばいいのだ。

      案の定、ピッチャーのA原が思いっきり投げる。
      「ドカッ」
      一球目がミットをかすめて僕の眉間に(たぶん)命中した。
      気がつくとA原が覗き込んでいる。
      「アブラ、ストライクだろ。ちゃんと取れよ」
      野球なんて筋肉野郎がやってればいいんだ。
      「おい、ちゃんととってやれよ」
      さすが筋肉馬鹿のK村だ。デリカシーのかけらもない。
      この教師失格野郎が。

      僕は体格の割に下半身が弱い。
      この日僕は、ランナーに体当たりされてまた気を失った。
      「おい、アブラ、ちゃんと片づけておけよ」
      僕は突き指した10本の指を庇いながら律義に後片付けをした。

      ウフフ。