>  2008/07/15 (火) 15:28:30        [qwerty]
> 出先で暇だから俺を楽しませて(;´Д`)
> 携帯だから転送とか無しで

ロビンが仲間になってから、サンジはさらに忙しくなったような気がする。
ナミだけに特別に出していたキレイなデザートも今や二人分だし、
おやつの時間もいつもより仕込みに時間がかかっている。

くだらないケンカから発展するゾロとの乱闘もずいぶんと
少なくなった。ナミやウソップは喜んでいるが
実のところゾロにとっては面白くない。

長い航海ではいくら鍛錬しても実戦の勘は、やりあわなければ
どうしても鈍る。サンジの超人的な蹴りは、ゾロにとって
格好の訓練だった。隙を見せればやられる。その緊張感は心地よく、
自分にはない身のこなしも、参考になるほどだ。

そのケンカもめっきりしなくなっている。
サンジは前にもましてキッチンに篭っている時間が長い。



遠くからラブコック調の甘えた呼び声が聞こえる。
昼食からずっとキッチンにいたサンジがようやく甲板に出たらしい。

「ナミすゎ~んvvロビンちゅゎ~んvvおやつの時間で~す♪」

ゾロはその声を聞くたびにムカついていたが、
最近では呆れた溜息しか出てこない。
仕方ないのだ。ヤツはラブコックなのだから。


思えば、二人のケンカは唯一サンジの目を見ていても不自然じゃない時間だった。
初めて睨みあった時。その目の青さに驚いた。
本当に透き通った青色。オールブルーとやらがあるのならば
きっとこんな色なんだろうな、と漠然と思ったりもした。

ケンカもしてないのにサンジの姿を目で追ってしまうことに気付いた時、
ゾロは自分の中の”異常”な気持ちを自覚した。

好きなのだ。あのサンジが。

何度もそんなはずは無いと思ってみても、サンジの行動が気になって仕方ない。
近づかれると胸が苦しくなる。その瞳を見ていたいのに
自分から目をそらしてしまう。

他人に興味なんてなかった。
特別な存在はくいな一人。そして目指すは世界最強。

だが、この船に乗ってからというもの、
知らずに自分の中で失いたくないものが出来てきてしまった。

ルフィはもちろん、他のクルーもすでにいるのが当たり前の家族だ。
そうなった今でもサンジだけはどうしても
家族のような気持ちになれない。

よほど嫌いなのかと自問しても背中を預けられるほど男を
嫌いな訳がないし、たまに二人きりになった時の
自分の意識のしようといったら、ただ事ではない。

どんどんハマっていく自分を止められないまま、
想いも心の奥に無理矢理しまいこんだままでいた。

それなのに、ここにきてロビンが現れた。

まるでゾロの心の中を知っているかのような
物知り顔の言葉には何度も冷や汗をかいた。
まさかこの想いを知っているはずがないとは思うものの、
からかうような物言いには、いい気がしない。

”コックさんなら倉庫よ?”などと、別に捜してもいないのに
いや、無意識に捜したのかもしれないが、ズバリ言われるとムカツク。

でも、、、そもそも自分が悪いのだ。男のクセに男を想う自分がバカなのだ。
自己完結しようとして、また、胸が痛くなる。

こうやって気持ちを押さえ込むのも、もう限界かもしれない。
島へ上陸するたびにナンパに行くアイツを見るのにも、
ナミやロビンに優しいアイツを見るのにも、
もう、、疲れてしまった。
必死で気持ちを悟られないように、ぶっきらぼうに接していたが
気を抜けば「好きだ」と言ってしまうかもしれない。
最近では顔もまともに見れないでいる。

もう、本当に忘れなければ自分はダメになる。
こんなに心を乱されていていては、鷹の目にだって勝てやしない。


参考:2008/07/15(火)15時21分43秒