>  2008/09/27 (土) 02:00:56        [qwerty]
> > それは妹の方では
> 姉は毛深いから嫌い

「今後、私は祐巳に『祥子さま』と呼ばれても、返事をしないことにしましたから」
「えっ」
「だって。いつまで待っても、あなた呼び方変えようとしないんだもの」
 言いたいことは言ったという風に、祥子さまは祐巳に背中を向けて
どんどん歩いていってしまった。
「祥子さまぁ」
 追いかけても、宣言通り振り返りはしない。
「無視されたくなかったら、ちゃんとお呼びなさい」
 わかっているでしょ、って目を見ないですまして歩いていく。祐巳は、
ぽりぽりとこめかみをかいた。何だか、無性に照れくさい。
「……えさま」
「聞こえなーい」
 こうなったら、絶対言わせるつもりらしい。
 祐巳は、観念して辺りを見回した。幸い、マリア様しか見ていなかった。
「お姉さま!」
 銀杏並木の中で、祐巳の声は妙にはっきり通った。するとマリア様のように
きれいな毛並みのお姉さまは、よく響く声で「はい」と振り返って、満足げに
自慢の胸毛をなびかせたのだった。

参考:2008/09/27(土)02時00分12秒