【パリ=山口昌子】 米大統領選まで1週間を切ったが、フランスでは世論調
査で優勢が伝えられる米民主党候補、オバマ上院議員が勝利し、米国初の黒人
大統領が実現するかどうか疑問視する声もある。ルモンド紙はこのほど、1面
トップで「マケイン氏はまだ勝利できるか」の見出しで、
「黒人」への人種差別から土壇場で「白人」が勝利した「ブラッドリー効果」
を共和党のマケイン候補陣営が期待していると報道した。
ブラッドリー効果とは、1982年の米カリフォルニア州知事選で、民主党
の黒人候補、ブラッドリー・ロサンゼルス市長が世論調査では
圧倒的勝利を伝えられながら、共和党の白人候補に敗北したことを指す。一方、オバマ氏支持
が鮮明な
左派系リベラシオン紙も、オバマ、マケイン両氏の最終公開討論直後に1面
トップで
「ホワイトハウスに黒人?」との見出しで、オバマ氏敗北の可能性を指摘。
右派系フィガロも同紙の世論調査では62%が「オバマ氏が勝利を失う可能性
がある」と回答したと報じた。