ヘタレが異性の好意を被る物語は、説得性にかける。しかし、もしその相手が メイドや妹であるならば、好意を買っても不思議ではあるまい。ヘタレが鑑賞 者の多くを占めるギャルゲーとその周縁の物語において、妹・メイド人格が多 用されている現状は、“ヘタレらぶらぶ”状況の納得ある成立が、求められて きたことの帰結である。 では、これらの人格以外に、ヘタレが熱狂的な愛を込むっても不思議はない対 象はいないのだろうか。我々はそれを、この物語に発見した。白痴である。