2009/05/15 (金) 23:10:25        [qwerty]
足立区のマンションに住む智也は小学 5 年の 11 歳。大手スポーツ用品メ
ーカのサラリーマンである父親と母親との 3 人暮らし。一方、近所の従来
からの住宅地に両親と中学生の姉と暮らす清貴、通称「キヨタン」は小学 1 
年の 6 歳。智也の母親は智也を進学塾に行かせるなど、自分では智也のた
めにいろいろやってあげているつもりなのに、ここ半年ほど前から智也が
「行ってきます」も「ただいま」も言わないなど、子育てノイローゼ気味で
子育て相談サイトに入り浸るなど、ネット三昧の毎日。智也の父親は会社か
ら重要なプロジェクトのリーダを任されて、ますます家庭を顧みない。キヨ
タンは両親からの溺愛ともいうべき寵愛を受けて育っているが、キヨタンの
姉は自分だけが両親から放置されているように感じ、何かとキヨタンに意地
悪をする。ある日、塾に来ていないという連絡を受けた智也母は帰宅した智
也に何をしていたのかと問いただすと、振り返ることもなく「ひと...ころ
してた...」との答え。当然ながら、真に受けることはなく、子どもが素直
になってくれないことの悩みを増す。ちょうどそのころ、キヨタンの家では、
キヨタンが玄関の外にランドセルを残したまま行方不明になり大騒ぎとなっ
ている。警察に届けを出すが、翌日キヨタンは河原で頭部を滅多打ちにされ
た変わり果てた姿で発見される。キヨタンママはキヨタンの帰宅時に自分が
在宅していなかったことを責め、悲嘆に暮れる毎日。日本最大の某掲示板な
どではキヨタンママに対する非難中傷があふれる。キヨタン姉もキヨタン生
前に「キヨタンなんか消えちゃえばいいのに」と言ってしまったことをひど
く後悔する。数日後、マンションのエレベータ内の監視画像などから、警察
が智也をキヨタン殺害の容疑者として保護する。智也母は到底それを信じら
れない一方、父親は自分の会社での立場がどうなるのだろうという心配ばか
り。世間の中傷は今度は智也の両親や祖母に向けられる。家裁に送致された
智也に両親は面会しにいくが、母親からの問いかけに対して智也が発した言
葉は「お母さんこそ耳付いてんでしょ?」。父親のほうは見ようともせず言
葉をさえぎるように「刑事さん、ボクが殺しました」。泣き崩れる母とただ
茫然自失の父親。家裁送致後も最初はだれにもほとんど心を開かなかった智
也だが、同じ年ごろの子供を持つ家裁の女性調査官だけには徐々に心を開い
ていく。事件当日、鍵がなくて家に入れずウンコを漏らしそうなキヨタンを
学校からの帰途に見つけた智也が自分のマンションに連れていってあげてト
イレを貸してあげたこと、そのあと二人で河原でキャッチボールをしたこと、
そしてついにはキヨタン殺害の事実まで話すようになる。それでも面会に来
た母親を相変わらずかたくなに拒み続ける。また、智也は「むかついたから。
あの子がむかついたから」とだけ言い、殺害の詳しい理由を話したがらない。
智也母はキヨタンの両親におわびの手紙を渡すが、突き返される。一方のキ
ヨタンママはキヨタン姉の孤独な心も慮ることなく、キヨタンのことばかり
を思い出す毎日。ある日、家裁の男性調査官が何気なく智也の体に触れよう
とすると、智也は調査官を突き飛ばし、これまで見せたことのない表情で
「さわるな!」と激こうする。そのあまりの異常な様子を見た女性調査官は、
智也の過去に何があったのかを想像し、一つの推論に達する。時間をかけ、
智也が女性調査官に、半年前のあの日何があったのかを告白する。智也は変
質者の男からレイプされていた。あの日、学校帰りの道端で智也はスーツ姿
の男から声をかけられ道案内を頼まれる。男と一緒に歩きはじめた智也だが、
公園の横を通りかかったとき、不意に男に抱きかかえられ、トイレ横の茂み
に連れ込まれる。智也は地面に押さえつけられ衣服を脱がされ、幼い下半身
を男のものであからさまに凌辱される。当時小学 4 年の智也には何が自分
の身に起きたのかわからない。「どうして大人の人がこんなことするの」、
「どうしてボクを痛い目にあわせるの」。男が去り、ようやく立ち上がった
智也は脱がされた服を着て、自宅に向かう。服は泥だらけで、泣きじゃくり
ながら歩く智也。道行く人はけげんな表情をしつつも、だれも智也に声をか
けてくれない。自宅に行きついた智也はドアを開けて力なく「ただいま...」
と声を絞り出す。お母さんが助けてくれるはず...。「お母さん...『お帰り』
と言って...」だが、自宅にいるはずの母親は奥の部屋でネットに夢中にな
っており、身も心もボロボロになった小さな智也の帰宅に気づかない。智也
は自分がものすごくけがれたように思い、制服を着てランドセルを背負った
まま夢中でシャワーを浴びる。風呂から出てきて茫然としている智也によう
やく母親が気づく。そこで智也にかけた言葉は...「ちょっと何やってんの
よ!どうしてこんな悪さするの!教科書が濡れちゃったじゃない!」このと
きから智也は「行ってきます」も「ただいま」も言わなくなった。父親から
まともにキャッチボールをしてもらったこともない智也に対し、毎日のよう
に父親と遊んでもらっているキヨタン。キャッチボールの腕は子どもの目か
ら見ても明らかだった。「おにいちゃんなのに、ヘタクソなの!」、「パパ
にキャッチボールしてもらったことないの?」何気ないキヨタンの言葉が智
也の心をえぐる。智也は反発して言う「キヨタンのお母さんだって家にいな
かったじゃん。きっとキヨタンのこと好きじゃないんだよ」。キヨタンがム
キになって反論する「そんなことないもん!キヨタンのママはね、キヨタン
のことがだーい好きなんだよ!だってキヨタンはいい子だもん」、「おにい
ちゃんのママって変だね」、「おにいちゃんのママがおにいちゃんのこと好
きじゃないのは、おにいちゃんが悪い子だからなんだよ!」。夕闇の中憎悪
むき出しで反駁するキヨタンの背後に「ママはあなたが大好き」の大看板が
浮かび上がる。だれからも愛されるキヨタン...。それに対して自分はあの
日汚された...。汚れたからお母さんから優しくしてもらえなかった...。ボ
クが悪い子だからお母さんはボクのこと愛してくれないんだ...。智也はボ
ールを拾い上げ、キヨタンめがけて投げつける「お母さんをバカにするな!」
ボールはキヨタンの頭部を直撃する。それでも暴言をやめないキヨタン「な
にするんだよ!ママにいいつけてやる!こんなことしたらボクのママがゆる