日本の政治は、迷走を続けていた。フクダ首相は、自らの支持率の低さを 嘆き、そして自分のことを悪く書く新聞メディアに怒りを覚えていた。ある 時、彼は各新聞社のジャーナリストたちを自分の別荘に呼びつけた。そして 言った。 「私は無能ではない。よく見ておけ」 彼はそう言ったかと思うと、湖の上を歩き出した。彼の身体はまったく沈 まなかった。それまで隠されていた彼のゼンとヨガの能力に、その場は騒然 となり、そこには感動さえ生まれたのだった。 翌日の新聞をフクダは楽しみにしていた。しかし、各新聞社の見出しを見 た途端、彼は大きなショックを受け、そして辞任を決意したのである。 キョウト・ポスト 「フクダ政権が巧妙なるプロパガンダを駆使し、 国民を欺こうとする姿勢を鮮明に」 フジ・タイムス 「フクダが勝手に他人の土地に侵入した疑い」 トウキョウ・ジャーナル「フクダは泳げない