2009/05/19 (火) 17:27:27        [qwerty]
インフルエンザウイルスは患者さんのくしゃみ、咳などで吐き出される微粒子
を介して飛末感染します。まず、鼻腔、咽頭粘膜の上皮細胞表面にあるレセプ
ター(シアル酸)にHAが結合します。そして、エンドサイトーシスにより細胞
内に取り込まれた後、HAの構造に変化が生じ、ウイルス膜とエンドソーム膜が
融合します。その後、 M2(イオンチャネルとして働くたんぱく質で、ウイル
スの脱穀に関与する)を介して、エンドソーム内の水素イオンがウイルス粒子
内に流入するとRNAが細胞質内に放出されます(脱穀)。核にてRNAが複製され
たあと、ウイルスのHAとNAの末端にはシアル酸が結合しているため、 NAはこ
れらのシアル酸を切り離し、ウイルス同士が凝集して感染性を失うのを防ぎま
す。 

インフルエンザウイルスの抗原変異には以下の2つがあります。 

・連続変異 A、B型に関与し、HAとNAのアミノ酸配列の点変異によって抗原性
がわずかに変化し、抗体の結合能が低下する 

・不連続変異 遺伝子再集合により、HA、NAのまったく別の亜型をもつウイル
スが出現する。A型に関与。新型インフルエンザが出現し、世界的大流行を引
き起こす。