「いや、そんなのウソ！」
「ウソに決まってる！」
「悠貴、ゆうき、・・ゆう・・・」
・・・・・
「・・・みらい」
「未来！」
「ちょっと、未来！いつまで寝てんのよ。あなた今日から新学期でしょ！」
「・・・え？何？お母さん？」
「もう、電車に遅れちゃうわよ。早くしなさい」
夢？・・・
そうだ、悠貴は？
「お母さん、悠貴は？」
「ちょっと、まだ寝ぼけてんの？・・・まったくもう」
悠貴！悠貴！
・・・
「お姉ちゃん、おはよう！」
「悠貴！・・・よかった・・・」
未来は悠貴を抱きしめる。
「ちょ、お姉ちゃん、痛いよぉ」
「お姉ちゃんてば、寝ぼけ軍曹だね！」
・
・
「いってきまーす！」
悠貴が家を出ようとする。
「ちょっと待って。途中まで一緒にいこ！」
悠貴が不思議そうに目を丸くするが、すぐににっこり笑って
「ウン！でも早くしてね。ボクも遅れちゃうよ」
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・
別れ際、未来は悠貴に
「じゃ、ここで。気を付けてね」
「ウン！お姉ちゃんもね」
未来は駆けだす悠貴をしばらく見つめていたが、すぐに悠貴が立ち止まって振り返った。
「お姉ちゃん、あのね、・・・大好きだよ！」
・
・
20分後、東京湾地下を震源とするM8クラスの大地震が東京を襲った。