これはもうずっと前からのことだ。 わたしは、ここにやってきたときからずっと、おとうさんに抱かれている。 誰にもこのことを話していない。大好きな友達にも。ほかの親戚にも。先生にも。誰にも。 もしもしられたら、おとうさんが捕まってしまうようなことだ。誰かに話したいとか、 わかってほしいと思ったことはなかった。大事なことは、誰にも知られたくなかった。 9歳のときからずっと。