9年前の震災で妻は生き埋めになりました。 掘り出そうとしましたが、迫ってくる炎に恐怖を感じ、 妻の泣き叫ぶ声を尻目に逃げ出してしまいました。 その後の孤独な9年間は、妻を見捨てたことに対する懲役と思い、 一切の楽しみを捨てて生きてまいりました。 ようやく許してもらえたのかと思い、安堵の気持ちで胸がいっぱいです。 あの世で妻や友人たちと再開した時、 どのような顔をすればよいのか分かりませんが、 もう一度顔を見ることができるだけで満足です。