> 2009/10/30 (金) 17:54:12 ◆ ▼ ◇ [qwerty]> > それで?
> 浴衣をひるがえすとなんか凄いのドイツの強いっぽいの。マウザーとか
> ごめん無理(;´Д`)
瞳子ちゃんと夏祭りにいく約束をした。
祐巳が待ち合わせの公園につくとそこには、つまらなさそうに一人で立っている瞳子がいた。
時間ぎりぎりまで跳ねる髪を直していたせいで、5分も遅刻した私とは大違いだ。
「ごめん、まった?」
いいえ、さきほど来たばかりです。とほほえみながら瞳子は言ってくれる。
つくづくできた妹だなあと、瞳子を見つめてしまった。
浴衣にクリクリのまいた髪が可愛い。
「も、もう!お姉さま!なに見てるんですか!いやらしい」
「いやらしいって………」
こほん、と息を整えると等子ちゃんはちょっと赤くなった顔で俯いた。
「もうしわけありませんお姉さま。先に行っててくださいますか?」
「えっどうしたの?」
「ちょっと………」
「…………あっ、ごめん!」
もじもじとしながら赤い顔でつぶやく瞳子を見て、やっとおトイレだって気がついた。
待ち合わせですれ違わないように我慢してくれてたのかな。
「もう!お姉さまって鈍感です!」
「じゃ、じゃあ待ってるよ!」
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瞳子が女子トイレに入るとそこには予定通り大きな鞄があった。
ジッパーを開け、中の黒金を確かめる。
グリップの刻印には9の文字。MauserC96。
モーゼルミリタリーと呼ばれる名銃だ。
ストックを手早く取り付け、感触を確かめる。
既に骨董品と言ってもおかしくない代物だが、だからこそ私にふさわしい。
瞳子はそう思っている。
さぁ、急いで標的を狩らなくては。何しろお姉さまを待たせているのだ。
浴衣の裾を閃かせ、手には銃。乙女の嗜みは必要なかった。
参考:2009/10/30(金)17時23分36秒