2009/12/27 (日) 16:34:59        [qwerty]
さて、区体論のねらいは、上に述べた通りである。つまり、「公理により数学的空間を構成すること」である。
 では、その数学的空間とは、どのようなものか?
 それは、「素朴集合論に相当する世界」「包含関係を扱う世界」である。
 
 すでに述べたように、区体論の公理系は、数学的空間を定める。
 この公理系は、多くの定理を生むが、どんな定理があるかは、すでにPart2で示した。そこを見ればわかるように、 ∩ や ∪ などの記号を使って、
さまざまな定理が示されている。そして、これらの定理の意味することは、素朴集合論の意味する世界と、同じである。逆にいえば、素朴集合論の定理が証
明できるように、公理系が定められたわけである。
 
  ※ これらの定理については、証明は記さなかった。いずれも、5行ぐらい
    で済むような、簡単なものばかりである。
    なお、そのうちの一部については、表紙ページにリンクを記してある
    ページで、証明されている。
 
 さて、ここまですでに記したことをまとめてみれば、次のようになる。
 ・ 区体論は、厳密な数学的空間を公理系として定めた。
 ・ そこでは、素朴集合論に相当する定理が証明される。
 
 つまり、区体論は、素朴集合論に相当するような、公理的な数学的空間を示したわけだ。それが、ねらいである。
 「素朴集合論に相当するような、公理的な数学的空間」
 というものは、もちろん、すでにある。ZFがそうだ。そして、ZF以外にはなかったのだ。そこへ、新たに、区体論というものが登場したわけだ。しか
も、それは、ZFとは本質的に異質なものなのである。
 同じような世界を扱うのに、本質的に異なる二つの理論がある。とすれば、
ここには、数学的な意味があるはずだ。(たとえば、物理学で、量子力学を説明する本質的に異なる二つの理論があるようなものだ。超弦理論[超ひも理
論]とか。このように異なる理論が提出されれば、興味深いはずだ。)