初公判で「生まれ変わるのなら、また母の子として生まれたい」と述べたKの言葉。 ぼくの姿が見えないと名前を呼ぶのです。呼んではこちらへ寄ってくるのです。 12月の後半ぐらいから夜のトイレに起きるときに先に起きて、 ぼくの横になっている寝間のところに来てはここへ入ると言い出すのです。 仕方がありませんので、おふくろと一緒に抱きあって寝ました。そういう状態がつづきました。 ぼくが台所で食事の用意をしていると、母は私を呼び、赤ん坊のようにハイハイをし、私のところに寄って来るのです。 それがかわいくてかわいくてなりませんでした。そして抱きあげると、にこっと喜ぶのです。 抱いてやると、強く抱き返してくれるのです。 (Kの陳述) 母が子供に戻って行くのです。 私は母を「見守る」ただそれだけのことしか出来なかった。 私の手は何の為の手で、母を殺めるための手であったのか、みじめでかなしすぎる。 じっと我が両の手を見る。何の為の手であるのかと。 (最終陳述にて) http://yabusaka.moo.jp/fushimi.htm