レフリーが、自分と梶原との間に入って、梶原の動きを制している。 いや、制するまでもなく、梶原は動いていない。 レフリーの陰から、長田を見下ろしていた。 長田は、大きく息を吐き出した。 まだまだ、これで終りじゃない。 逆に、今のアキレス腱固めで、余計な緊張がとけたようだった。 かっと、肉の底に熱いものが燃えていた。 夢枕獏「餓狼伝」第三巻より