2010/04/10 (土) 12:29:46        [qwerty]
たとえば遅すぎる春がようやくやってきて、みなの表情もおだやかになったころ
まだまだ自分としては肌寒く、自分だけが春に避けられているような気がする男がいたとして
ふらふらと野に出、肌寒い道を春へ、暖かいほうへと歩を進めていたところ
あきらかに進む道は北であり、どんどん周りの景色が冬めくというか白くなってきて不安になり
さらにそんな中なのに自分の周りだけがそこまで寒く無いのがなんかワクワクしてきちゃって
同時に心の片隅にあったちっちゃな雪の塊が解け始めたような気がしはじめて、歩も次第に早くなり
息を切らしてたどりついた先は春陽気に包まれた小さな草畑と家で、家の前には懐かしいテーブル
そこにはいたづらな笑みを見せたレティさんが糸をたぐるようなし草をしながら男を待っており
くろまくはものがたりの糸を手繰り寄せるものよ、なんて微笑んでテーブルへと招き
冬は大好きだけど、今年の冬は長すぎて嫌だった。なぜだかあなた、忘れてたでしょう?
なんていうレティさん。男はゆっくりと抱きしめながら、一足早い、春がやってきましたよと呟いて
交わした唇の味に懐かしい花茶の味を感じたりすると俄然興奮してきますね(笑)