井上ひさしの三女石川麻矢の『激突家族』(中央公論新社、1998)を読んで、 井上がさらにひどい人だと知った。井上が前妻を殴っていたのは知っていたが、 編集者も、井上が殴らないと仕事ができないと知っていて「好子さん、 あと二、三発殴られてください」と言ったという。信じられない世界である。 さらに井上は、新しい恋人、つまり米原万里の妹から、「井上家は子供の育て方を間違えたわね。 せめて、きちんと学校だけは出しておかなきゃダメヨ」と言われ、 井上はそれを娘たちの前で嬉しそうに話したという。 いったい、井上ひさしというのは、どこまで人間として低いのだろう。むろん、過去の文豪には、 人間として最低な人が何人もいた。夏目漱石だって、幼い子供を杖で打ちすえている。 しかし現代において、こういうことが公表されて、なお大作家でいられるというのは、 周囲の人たちは何を考えているのか、私は疑問である。 http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20100210