ふと目が覚めると白玉楼。お迎えがきたとは思いがたいがと身を起こそうとすると ふわりとそれを制して膝にあずけさせる女性の名は幽々子 夢からさめていないような頭でもつたわる感覚ははっきりとしていて でもしっとりとした重みがあるのだが”軽い”、紙粘土の銅像のような、でもふんわりとした太ももや 鼻をくすぐるような匂いがあると思えば何も匂わぬ幽かと呼ぶしかない香り ほほをなで、くすぐる衣や髪は昼と夜を隔てるカーテンのように虚ろに揺れ 私を見下ろす穏やかなようで無邪気な笑顔の背後には 気まぐれで私の寿命を絶ってしまおうとすらする凶器がただよい あっちからこっち、こっちからそっちへとふわりふわりと私の感覚を翻弄し ふらふらと起き上がるままに私は確かなものを感じようとその胸にすがると 粉雪のようにとけてしまいそうに私の体を受けれる胸のやわらかさとそのちりちりとしたぬくもりに 彼女が霧となり私を取り込もうとすらしているのではないかと感じるほどで 取り殺すという語感とは程遠くも最も近いだろうその包容力に私は再び目を閉グー