米国防総省が調達する兵器の電子機器を中心とした部品に、 欠陥や違法な模造を行った大量の中国製品が使われ、 米国で生産される兵器の信頼性や品質に重大な影響を与えている。 このほど発表された『四年ごとの国防計画見直し』(QDR)で明らかにされた。 それによるとブッシュ前政権時代に兵器生産コストを下げるため、 兵器製造の際に商業製品を最大限導入する方針が確立。 この五~六年の間に、安い中国製の部品が大量に流入しはじめた。 その結果、欠陥があったり、最初から損傷しているなど、 違法コピーを含む品質基準以下の数千にのぼる劣悪な部品が実際に兵器に使われる事態となっている。 さらには軍が管理する在庫システムにも入り込んでしまっている。 国防総省はこれによってどの兵器の作動が支障をきたしたか明らかにしていないが、 特殊品を含む兵器生産に不可欠な部品を供給する米国内の産業基盤は すでに大幅に衰弱しており、即座に復旧できる状態ではない。