渋谷のスクランブル交差点が青になると 無数の精子のような人々で埋めつ くされた 横断の途中 何気なくすれ違った男を見た瞬間 私の体に電流が走った (間違いない! 今のは憎い父の仇!) 男はSM用のラバーマスク(両目がふさがれ 鼻孔の空気を調節することで窒息 プレイを楽しむタイプ)で素顔を隠していたが その肉棒は忘れもしないあの 男のものだった 通常 男の尿道口は縦に切れ目が入っている しかし やつのそれは横にもう一つ切れ目が走っていた 私はやつのことを「プラスドライバの男」と呼んでいた 内部構造がどのようになっているのかわからないが 一旦 やつが放尿を 始めると 狂ったスプリンクラーのように小便を撒き散らせたものだった