「問題にしたいのは、独島が韓国と日本のどちらの領土に属するのかということよりも、 独島をめぐって繰り広げられた私たちの全国民的な怒りと運動が物語る、韓国民族主義の 行き過ぎた熱気のほうである。 私たちは「独島はわれらが領土」という歌までつくって全国的に普及させてきたし、 韓国人なら独島問題を知らなければならないとされていたが、日本では島根県など少数の人々 を除いて、一般的にはこの問題にさして興味がない。 このような関心の薄さは独島をめぐる反応ばかりでなくて、サッカーのワールドカップを誘致する ときも同様であった。 韓国でのように全国民が一様に興奮する熱狂的な民族主義の表出は、現代の日本では見ることが できないものである。私たちは何かというと、帝国主義時代に天皇制のもとで日本が全国民的 な規模で狂奔したことを取り上げて批判するが、現代に至ってそうしたありさまが残されているのは むしろ韓国のほうである。」 「反日ナショナリズムを超えて」朴裕河