2010/06/11 (金) 14:59:38        [qwerty]
エドワード・リンカーン氏 米ニューヨーク大学日本経営経済研究所長 
“変われない日本” 
 
日本は米国内で「インビジブル(見えない)」になっているように感じます。携帯電話のような製品では全く存在感がありません。
最近話題になり始めている電子ブックでもそうです。日本メーカーで製品を投入しているのはソニーくらいで、ほかの メーカーの姿は全く見えない。
テレビや「ウォークマン」を売りまくった輝く日本はどこにも見あたらないのです。公聴会に出席したトヨタの社長の姿は痛々しいだけでした。 
イノベーション(技術革新)や画期的な製品作りの面で、米企業は自信を取り戻し始めています。1980年代の米国人は、ソニーのウオークマンに驚愕し
「新奇で、素晴らしいアイデアを持っているのは日本人であって、米国人ではない」 と意気消沈していました。 
でも、電子ブックを見てください。新しい行動スタイル、新しい読書の形を提案して、革新を先導しているのは米アマゾンや米アップルなどの米国企業です。 
日本の役人や企業人に日本の強みは何かと聞くと、いまだに「モノ作り」という答えが返ってきます。
日本は何が得意ですか?モノ作りです──とね。 
でも、モノを製造するのが得意なのは日本だけではありません。そろそろ現実を直視したほうがいい。
日本人だけがモノ作りの特殊な才能と技能を持っているわけではありません。韓国や中国、それに米国にだって良いモノは作れます。
人件費の安い国に移っていくのは製造業の宿命です。設計やデザインに技術者をシフトさせるべきなのに、そういう声はほとんど聞こえてきません。 
来年の2月初め頃、新聞やテレビは「中国の2010年のGDP(国内総生産)が、とうとう日本のそれを超えた」というニュースを盛んに報じることになるでしょう。
その時、日本人は何と言うのでしょうか。まさか、「よし、モノ作りで頑張るぞ!」ではないでしょうね。 
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100525/214575/